吉川行雄は山梨県大月市に近い猿橋(日本三奇矯のひとつがある)に生まれた。小さいときに童謡雑誌「赤い鳥」に出会い童謡詩に興味を持つ。14歳の時大病を患い不自由な体となり、以後六畳の部屋で一生おくることとなった。その六畳の窓から見える月夜を毎夜楽しむ。そしてそこから多くの月の変化ある詩が生まれた。それが「月夜の詩人」といわれた所以である。
うすい月夜
うすいおぼろに、
いぶされて、
月は魚になりまする。
ほそい木にいる、
丹頂も、
とろり、とぼけてとびまする。
風とふくされ、
ふあり来て、
とろり、お羽が消えまする。
うすい月夜の
れんげうは、
白い羽虫になりまする。
19日14時より「月夜の詩人」の詩と日記を中国琵琶の鮑捷さんのメロディに乗って名優池田勝さんが朗読していく会を催しします。(新宿村ライブ)この日には童謡詩人金子みすゞさんの詩を詠むと題して若い女優さんが朗読する。二人の童謡詩人の共通は短い人生をこよなく童謡を愛していたことだ。「詩をなぜかくのだろう」「それは愛だと思う」言葉がふたりの共通の詩の世界であろう。
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http://la-flamme.netで作品の紹介をしています。興味ある方は訪問してみてはどうですか